最近、薬の値段、薬価が高すぎる。
患者さんもそう感じている。
この時代、人は世界中を行き来しているので、
多治見のような地方都市にある私の診療所にも、
外国に居住していた人が何人も通っている。
カナダやオーストラリアのような国に住んでいてから
日本に移住してきた人は、同じ薬が日本ではなぜこんなに高いのか、
といぶかしみ、嘆く。
(同時に日本の医者にはいつでも自由にかかれて診療費が安いことを
喜ぶ。)
患者さんもそう感じている。
この時代、人は世界中を行き来しているので、
多治見のような地方都市にある私の診療所にも、
外国に居住していた人が何人も通っている。
カナダやオーストラリアのような国に住んでいてから
日本に移住してきた人は、同じ薬が日本ではなぜこんなに高いのか、
といぶかしみ、嘆く。
(同時に日本の医者にはいつでも自由にかかれて診療費が安いことを
喜ぶ。)
私の領域で言えば、抗うつ薬の薬価が高すぎる。
最近日本で発売された抗うつ薬イフェクサーは、あきれるほどに高い。
先日承認された爪水虫(爪白癬)の塗り薬にもあきれた。
10グラムで15000円である(普通の塗り薬と2桁違う)。
私は自分の老眼が急に進んだかと思い、もう一度見直したが、
幸か不幸か、老眼のためではなかった。
最近日本で発売された抗うつ薬イフェクサーは、あきれるほどに高い。
先日承認された爪水虫(爪白癬)の塗り薬にもあきれた。
10グラムで15000円である(普通の塗り薬と2桁違う)。
私は自分の老眼が急に進んだかと思い、もう一度見直したが、
幸か不幸か、老眼のためではなかった。
先日の新聞などでも大きく報道されたが、
小野薬品工業発売の抗癌剤「オプシーボ」は桁違いに高額な薬である。
「オプシーボ」は、その適応の癌につき、
保険診療の適応を認可されたが、
一人の年間の薬剤費が3500万円、3年使えば1億円になる、
超高額な薬である。
このままでいくとオプシーボたった一剤で
日本の年間医療費が2兆円近くになるという。
小さな国ならば国家予算の金額だ。
日本においても、勤労者一人の生涯収入を、
一人あたりの生涯の医療費総額が越えかねない状況になってきている。
その状況は、アメリカのように、
個人の破産の原因第一位が浪費でも失業でもなく医療費である、
という社会に近づいていることを示している。
薬価高騰は国民皆保険制度の崩壊の危機であるし、
国家財政の危機でもあるし、私たちの生活の危機でもある。
斜陽にある今のわが国にとっては、薬価高騰は見逃せない問題である。
小野薬品工業発売の抗癌剤「オプシーボ」は桁違いに高額な薬である。
「オプシーボ」は、その適応の癌につき、
保険診療の適応を認可されたが、
一人の年間の薬剤費が3500万円、3年使えば1億円になる、
超高額な薬である。
このままでいくとオプシーボたった一剤で
日本の年間医療費が2兆円近くになるという。
小さな国ならば国家予算の金額だ。
日本においても、勤労者一人の生涯収入を、
一人あたりの生涯の医療費総額が越えかねない状況になってきている。
その状況は、アメリカのように、
個人の破産の原因第一位が浪費でも失業でもなく医療費である、
という社会に近づいていることを示している。
薬価高騰は国民皆保険制度の崩壊の危機であるし、
国家財政の危機でもあるし、私たちの生活の危機でもある。
斜陽にある今のわが国にとっては、薬価高騰は見逃せない問題である。
安部政権になり、新薬の薬価が高騰したと指摘されている。
(薬価は、密室において不透明な過程で決められる、薬の公定価格だ)
その傾向はここにきて急加速しているようだ。
オプシーボは、小野薬品工業にとっては
巨大な富をもたらす打ち出の小槌、シンデレラストーリーであろうが、
私たち国民にとっては悪夢である。
(そもそも患者にとっても福音であるのかさえ、怪しい。
肺癌の患者への治療効果はわずか19%でしかないという。
薬剤認可時に19%であるならば、
今後実際に広く使われるようになればもっと治療効果は低いものと
判明するだろうし、副作用報告はもっと増える一方だろう。
新薬というものはいつもそういう経過をたどるのだ。)
うつ病や爪水虫、肺癌といった罹患者が多い病気の治療薬の薬価が
高いことは国民医療費を跳ね上げる。
逆の観点から言えばそうした病気の治療薬はたくさん売れるのだから
製薬会社の儲けは莫大になる。
そのような薬の値段は抑制されてしかるべきである。
(薬価は、密室において不透明な過程で決められる、薬の公定価格だ)
その傾向はここにきて急加速しているようだ。
オプシーボは、小野薬品工業にとっては
巨大な富をもたらす打ち出の小槌、シンデレラストーリーであろうが、
私たち国民にとっては悪夢である。
(そもそも患者にとっても福音であるのかさえ、怪しい。
肺癌の患者への治療効果はわずか19%でしかないという。
薬剤認可時に19%であるならば、
今後実際に広く使われるようになればもっと治療効果は低いものと
判明するだろうし、副作用報告はもっと増える一方だろう。
新薬というものはいつもそういう経過をたどるのだ。)
うつ病や爪水虫、肺癌といった罹患者が多い病気の治療薬の薬価が
高いことは国民医療費を跳ね上げる。
逆の観点から言えばそうした病気の治療薬はたくさん売れるのだから
製薬会社の儲けは莫大になる。
そのような薬の値段は抑制されてしかるべきである。
繰り返してくどいが、
薬価は、経済的に「自由競争」「市場原理」では決まらない。
国が決める、公定価格である。電気料金などと同じだ。
電気会社も国に守られて相当な利益を出しているが、
製薬会社はずっと大きな利益を得る。
ただ、薬価が公定価格であれば、
原理的には公正な価格に調整することも可能である。
薬の売り上げ数によって、売上金額によって、上限を決め、
ある程度に達したときに薬価を見直す
(たとえば500億円売り上げたら20%薬価を下げる、とか。
国民皆保険制度の我が国ならば簡単に実行可能な政策である。)
という制度にすれば良いだけの話だ。
薬価は、経済的に「自由競争」「市場原理」では決まらない。
国が決める、公定価格である。電気料金などと同じだ。
電気会社も国に守られて相当な利益を出しているが、
製薬会社はずっと大きな利益を得る。
ただ、薬価が公定価格であれば、
原理的には公正な価格に調整することも可能である。
薬の売り上げ数によって、売上金額によって、上限を決め、
ある程度に達したときに薬価を見直す
(たとえば500億円売り上げたら20%薬価を下げる、とか。
国民皆保険制度の我が国ならば簡単に実行可能な政策である。)
という制度にすれば良いだけの話だ。
しかし、この時代、日本国民がそのように薬価を調整しようにも、
できなくなりつつある。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が締結され、
その条約が実行されれば、
日本独自に薬価を調整する政策は許されなくなる。
私たちが医療破産にあえごうが、
不当に高い薬価でボロ儲けする製薬会社の利益は最大限に守られる。
兆単位の利益を得る会社が増えて、
人口比では0.1%以下の大富豪が増えながらも、
大多数の人々は医療破産に怯えながら暮らす社会、
それは目前に迫っている。
(カナダやオーストラリアはその危機をわかっているから、
薬価や薬の特許期間について反発している)
できなくなりつつある。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が締結され、
その条約が実行されれば、
日本独自に薬価を調整する政策は許されなくなる。
私たちが医療破産にあえごうが、
不当に高い薬価でボロ儲けする製薬会社の利益は最大限に守られる。
兆単位の利益を得る会社が増えて、
人口比では0.1%以下の大富豪が増えながらも、
大多数の人々は医療破産に怯えながら暮らす社会、
それは目前に迫っている。
(カナダやオーストラリアはその危機をわかっているから、
薬価や薬の特許期間について反発している)
先日、「保育園落ちた。日本死ね。」ブログにより、
保育園不足の問題がクローズアップされたが、その問題のように、
私たちの常識、私たちの身体感覚から発した常識的な意見、
それを集約して政治に反映させようとも、
TPPのような国際ルールによりそれが不可能になる。
かくも残酷な資本主義、新自由主義という悪魔がさらに跋扈する危機、
大きな危機が迫っているが、どうもそう感じている人は少ないようだ。
保育園不足の問題がクローズアップされたが、その問題のように、
私たちの常識、私たちの身体感覚から発した常識的な意見、
それを集約して政治に反映させようとも、
TPPのような国際ルールによりそれが不可能になる。
かくも残酷な資本主義、新自由主義という悪魔がさらに跋扈する危機、
大きな危機が迫っているが、どうもそう感じている人は少ないようだ。